W不倫のリスクや解決方法について

 

ダブル不倫(W不倫)をすると、一般の不倫よりも高いリスクが発生する可能性があり、要注意です。

 

ダブル不倫(W不倫)とは、不倫している当事者双方が既婚者の場合の不倫です。当事者双方に配偶者があるので、不倫が発覚すると夫婦間でお互いに慰謝料を請求し合う状態になってしまったり、2組の夫婦で離婚問題が発生したりして混乱が深まってしまう傾向があります。

 

今回はダブル不倫のリスクや解決方法について弁護士が解説します。不倫トラブルでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.ダブル不倫(W不倫)とは

ダブル(W不倫)とは、不倫している当事者双方に配偶者がいる場合の不倫をいいます。

一般的に「不倫」というと、一方が既婚者で他方は未婚のケースが多数です。

それに対しダブル不倫の場合、当事者のどちらも既婚者である特徴があります。つまり不倫している男性には妻があり、不倫している女性には夫がいる状態です。

 

このように当事者の両方に配偶者がいるので「ダブル」不倫とよばれます。

 

 

2.ダブル不倫にハマりやすい人

どういった人がダブル不倫にハマりやすいのか、よくある例や特徴をみてみましょう。そもそも既婚者コミュニティにいる方などが挙げられるかもしれません。

2-1.満たされない思いがあるが、家庭を壊したくない

1つは、家庭に満たされない思いがあるけれど、家庭を壊したくない人です。

夫婦仲がうまくいっていない、他の異性に安らぎを求めたい思いはあるけれど、自分の安定した家庭までは壊したくない人が、同じような気持ちを持っている相手を見つけてダブル不倫に走りやすい傾向があります。

 

2-2.経済力がある

ある程度のお金がある人の方が、ない人よりダブル不倫をしやすい傾向があります。

不倫すると、デート代やホテル代、食事代やプレゼント代など、さまざまなお金がかかるためです。こうしたお金は普段、家族に使うお金のほかに工面しなければなりません。

 

配偶者から管理を受けずに自由に使えるお金が多い場合には配偶者に不倫を知られにくく、長続きしやすい傾向があるといえるでしょう。

 

2-3.仕事が忙しい人

仕事が忙しくストレスがたまると、不倫に走る人がいます。

特に家庭がうまくいっておらず配偶者が話を聞いてくれない場合、抱えているストレスに理解を示してくれない場合などには、外部に癒しを求めてしまいがちです。

 

また日頃から残業や休日出勤などが多い方であれば、「仕事がある」と嘘をついて不倫相手とデートしてもバレにくくなります。

このように仕事が忙しい方の場合、不倫にハマってしまうケースが意外と多くみられます。

 

2-4.刺激を求める人

日々の生活に退屈していて刺激を求めるタイプの人も、不倫にはまってしまいやすい傾向があります。不倫にはスリルがあるからです。

単調な日々の繰り返しに飽きてしまった人、いつもの夫婦生活に退屈してしまった人はダブル不倫に走るケースが多々あります。

 

 

3.ダブル不倫のリスク

ダブル不倫は一般的な不倫よりも高いリスクをはらんでいます。以下でその理由をみてみましょう。

 

3-1.二重に慰謝料請求が起こる

1つには、慰謝料請求が2重になる問題があります。

ダブル不倫の場合、不倫する当事者の双方が結婚しているので、「不倫された被害者」も2人です。

そうなると、被害者それぞれが不倫相手へ慰謝料請求する可能性があります。すると夫婦単位で見るとお互いに慰謝料を請求し合う結果になって、状況が大きく混乱してしまう可能性があります。

またダブル不倫の場合、不倫された配偶者が不倫相手の配偶者に連絡をとり、被害者2人が協力して慰謝料請求などを進めようとするケースも少なくありません。

一般的な単純な不倫トラブルよりも状況が複雑化しやすいリスクがあります。

 

3-2.社会的な信用を失う

ダブル不倫をすると、社会的な信用が失われる可能性が高いと考えましょう。

通常の不倫では、未婚者は周囲から同情される可能性もあります。たとえば年上の既婚男性と年下の未婚女性が不倫している場合、年下の未婚女性に対する評価はさほど厳しくならないケースも少なくありません。

 

一方、ダブル不倫の場合には当事者双方への風当たりが厳しくなりがちです。「いい年をして何をしているのか」「家庭があるのに何を考えているのか」などととらえられてしまうからです。

またダブル不倫の場合、相手と結婚できる見込みはないので「結婚しようと思って本気で相手を愛していた」などと言っても通用しないケースが多数です。

 

場合によっては職を失ってしまうケースもあるでしょう。ダブル不倫は職場内で行われるケースが多く、発覚すると職場にいづらくなってしまうからです。

 

不倫によって社会的な信用を失ってしまうリスクを軽く考えてはなりません。

 

3-3.2組の夫婦で離婚問題が発生する

ダブル不倫の場合、登場する夫婦は2組です。発覚すると、双方の夫婦でそれぞれ離婚問題が発生する可能性があります。

それぞれにおいて慰謝料問題と離婚問題の両方が発生すると、状況が大きく混乱してしまうでしょう。子どもがいるご夫婦の場合、子どもの人生をも狂わせてしまう可能性があります。ダブル不倫によって家庭を失ってしまうリスクを軽く考えるべきではないといえるでしょう。

 

4.ダブル不倫の慰謝料の金額

ダブル不倫の場合、慰謝料の金額はどのくらいが相場になるのでしょうか?

 

ダブル不倫であっても一般の不倫であっても、慰謝料の金額に大きな違いはありません。裁判になれば、一般的な相場の慰謝料が認められます。

 

具体的な相場を示すと以下のとおりです。

4-1.婚姻期間が13年程度

婚姻期間が13年程度の場合、不倫慰謝料の金額の相場は100150万円程度となります。

4-2.婚姻期間が310年程度

婚姻期間が310年程度の場合、不倫慰謝料の相場は150300万円程度です。婚姻期間が長くなると慰謝料の額はだんだんと上がっていきます。

4-3.婚姻期間が10年やそれ以上

婚姻期間が10年やそれ以上になると、不倫慰謝料の金額は300万円かそれ以上になるケースが多数です。

 

以上は夫婦が離婚する場合の不倫慰謝料の相場です。

 

4-4.離婚しない場合の慰謝料

不倫しても離婚しない場合の慰謝料の金額の相場は100万円を切ります。

よってダブル不倫のケースにおいて、夫婦の1組は離婚して他方は離婚しない場合、お互いの当事者が払うべき慰謝料の金額は変わってきます。

 

 

5.ダブル不倫の解決方法

ダブル不倫が発覚したら、どのようにして解決するのが良いのでしょうか?

パターン別に解説します。

5-1.どちらの夫婦も離婚しない場合

どちらの夫婦も離婚しないのであれば、夫婦間でお互いに慰謝料を払い合ってもあまり意味がありません。

確かに離婚しなくても不倫慰謝料は請求できますが、ダブル不倫の場合、一方の配偶者が慰謝料請求しても、相手の配偶者から慰謝料請求されてしまう可能性があります。

たとえばAさんとBさんが不倫していて、Aさんには夫Dさん、Bさんには妻Eさんがいるとしましょう。

このとき、DさんはBさんに慰謝料請求できて、EさんはAさんに慰謝料請求できます。

ただDさん夫婦もEさん夫婦も離婚しないなら、夫婦単位でみると単にお互いに慰謝料を払い合うだけの結果になってしまうのです。労力をかけて慰謝料請求をしても、結局相手の配偶者から取り戻されてしまうだけなら意味がありません。

 

よって、夫婦がお互いに離婚しない場合には、4者間で和解をして、お互いに慰謝料を請求しない約束をするようおすすめします。もちろん、不倫関係は終わらせる約束をさせます。もっとも、このような解決をしてくれる法律事務所は減っている印象を受けます。

たとえば先ほどの例でいうと、Aさん、Bさん、Dさん、Eさんの全員で和解をするのです。

DさんもEさんも慰謝料を請求せず、AさんとBさんは別れる約束をします。

 

そうすればダブル不倫のトラブルを一気に解決できてメリットが大きくなるでしょう。

4者間で和解した場合には、きちんと和解書を作成して証拠を書面化すれば後々に禍根を残さずに済みます。

 

5-2.どちらの夫婦も離婚する場合

どちらの夫婦も離婚する場合、4者間でも和解はできません。

それぞれについて、不倫慰謝料の請求と離婚問題への対応の両方を進める必要があります。

 

離婚する場合には、以下のような条件を取り決めましょう。

  • 財産分与
  • 慰謝料
  • 年金分割
  • 親権
  • 養育費
  • 面会交流

不倫した当事者であっても財産分与は受けられますし、子どもの親権者になれる可能性もあります。

 

離婚条件を取り決めたら、きちんと離婚公正証書にまとめましょう。公正証書があると、後のトラブルを極力抑えられるからです。特に養育費や財産分与などの支払いを受ける場合、公正証書があると、相手が支払をしないときにすぐに差し押さえができるメリットがあります。ひと手間かけても公証役場へ申込み、離婚公正証書を作成しましょう。

 

5-3.片方の夫婦が離婚する場合

片方の夫婦のみが離婚する場合でも、4者間における和解はできません。なぜならお互いに払う慰謝料の額が異なるからです。

離婚しない夫婦が請求できる慰謝料の額は100万円を下回る低額になりますが、離婚する夫婦が請求できる慰謝料の額は100300万円程度で高額です。単純にお互いに慰謝料請求権を放棄してしまうと、離婚する夫婦の配偶者が損をしてしまう結果になります。

たとえばAさんとBさんが不倫していてAさんの配偶者がDさん、Bさんの配偶者がEさんとします。W不倫が発覚してAさん夫婦は離婚することになりましたが、Bさん夫婦は離婚しません。

この場合、DさんはBさんへ100300万円程度の高額な慰謝料を請求できますが、EさんはAさんへ100万円以下の慰謝料しか請求できません。

またAさんとDさんは離婚するので家計は1つではなくなります。

このように、Aさん夫婦のみ離婚する場合には4者間和解をするとDさんが不利益を受けてしまうので、4者間和解では解決できないのです。

 

面倒でもそれぞれの当事者が適正な金額の慰謝料を支払い、離婚する夫婦の側は離婚問題にも対応しなければなりません。

 

離婚する際には、お互いに納得できる離婚条件を取り決めて、離婚公正証書を作成しましょう。

 

6.ダブル不倫でお困りの場合、お気軽にご相談ください

ダブル不倫が発覚すると、状況が大きく混乱するケースが少なくありません。

お互いに慰謝料請求が行われたり離婚問題が発生したりして、何から手を付ければよいかわからなくなる方もいるでしょう。

そんなときには弁護士がアドバイスやサポートをいたします。双方の夫婦が離婚をせず4者間和解する場合でも、弁護士が間に入って和解書を作成し、後々に禍根を残さないよう対応することも可能です。相手に不倫慰謝料請求をしたり配偶者と離婚の交渉を行ったりする際、弁護士が代理人としての対応もできます。

 

名古屋駅ヒラソル法律事務所では日頃から男女問題や離婚問題に積極的に取り組んでおり、不倫トラブルも数多く解決してまいりました。ダブル不倫のトラブルにお困りの場合、お気軽にご相談ください。

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