不倫の内容証明郵便が届いたときの対処方法。不倫が発覚すると、相手の配偶者から「内容証明郵便」で慰謝料の請求書が届く可能性があります。ある日突然内容証明郵便が送られてきたら、どのように対応すれば良いのでしょうか?突然内容証明郵便を受け取られると驚かれる方もいるのではないでしょうか。 そのまま、無視すると訴訟を起こされる可能性もあります。どのように対処すれば良いのでしょうか。

不倫の内容証明が届いたときの対処の方法

 

不倫が発覚すると、相手の配偶者から「内容証明郵便」で慰謝料の請求書が届く可能性があります。

 

ある日突然内容証明郵便が送られてきたら、どのように対応すれば良いのでしょうか?突然内容証明郵便を受け取られると驚かれる方もいるのではないでしょうか。

 

そのまま、無視すると訴訟を起こされる可能性もあります。

 

今回は不倫の内容証明郵便が届いたとき(慰謝料を請求された側)の対処方法を弁護士の視点からお伝えします。

 

浮気が発覚してお困りの方はぜひ参考にしてみてください。

 

1.内容証明郵便とは

内容証明郵便は、日常一般で使う郵便とは異なり、初めて見る方も多いでしょう。

受け取ったら不安な気持ちになるのも当然です。

 

ただ内容証明郵便自体に差し押さえなどの法的効力があるわけではないので、心配しすぎる必要はありません。

 

内容証明郵便とは、郵便局が書面の記載内容や発送日を証明してくれる郵便です。

書面の記載内容に争いがないというのがポイントです。

差出人と郵便局に控えが残るので、後に裁判になった場合の証拠にも使えます。

郵便局が差し出した日付を入れるので、いつどういった請求をしたのかを証明できる資料となります。

 

また内容証明郵便は手渡し式で書式も特殊なので、受け取った相手にプレッシャーを与える効果も期待できます。

そこで、各種の請求書や警告書などを送るときにもよく利用されています。

 

電子内容証明と従来型の内容証明郵便

従来、内容証明郵便といえば差出人が自分で同じ文書を3部作成し、郵便局へ持ち込むものが一般的でした。

この場合、書式が特殊なものとなっており、行数や列数(文字数や配置)の指定があり、差出人の「押印」が付されています。

 

ただ近年では電子内容証明郵便を使う人が増えています。電子内容証明郵便には行数や列数の指定がなく、差出人の押印もありません。

 

ただし電子内容証明郵便でも従来型の内容証明郵便でも、意味内容や効果は同じです。差出人の押印がなくても慰謝料の請求書であることに変わりはありません。

 

以上が内容証明郵便の特徴であり、法的には一般的な郵便と効果はほとんど変わりません。

 

「慰謝料を払わなければ差し押さえをする可能性があります」などと書かれているケースもよくありますが、受け取ったからといっていきなり差し押さえをされるわけではありません。

 

2.内容証明郵便を受け取らなかったらどうなるか

内容証明郵便は本人への手渡し式なので、不在だったり居留守を使ったりすると受け取らずに済みます。その場合、郵便局から再配達の通知書が投函されます。

 

もしも内容証明郵便を受け取らずに無視していると、どうなるのでしょうか?

 

受け取られなかった内容証明郵便については再配達を試みられますが、一定期間の経過後に差出人の元へ返送されます。

 

差出人としては、以下のような対応をとるケースが多数です。

2-1.普通郵便で同じ内容の郵便物を送る

本人が受け取らなければ内容証明郵便を届けられません。そこでポスト投函型の普通郵便で同じ内容の郵便を送るケースがあります。

内容証明郵便を受け取らずに無視していると、相手の配偶者から普通郵便で慰謝料の請求書が届く可能性があるでしょう。このような場合、相手方の支配領域に達した場合は郵送は、届いたものとみなされます。

 

2-2.訴訟を提起する

内容証明郵便を受け取らない場合、「不倫相手は慰謝料を払う気持ちがない」と判断される可能性が高まります。

そうなると、訴訟を起こされるケースが少なくありません。

特に相手が弁護士をつけている場合には、訴訟となる可能性が濃厚となるでしょう。

 

内容証明郵便をきちんと受け取って示談ができれば訴訟トラブルを避けられます。無視していると相手の感情も悪化して訴訟になってしまう可能性が高いので、放置するのはおすすめしません。また、弁護士に示談交渉の依頼をされても良いでしょう。

 

3.不倫慰謝料請求の内容証明郵便を受け取った後の流れ

不倫慰謝料を請求する内容証明郵便を受け取った後の流れをみてみましょう。

 

STEP1相手へ連絡を入れる

慰謝料請求の内容証明郵便には、通常「返答期限」が書かれています。例えば、令和4年4月1日までにご返答ください、といったものです。

期限をすぎると訴訟を起こされる可能性もあるので、期限内に何らかの回答をしましょう。それまでに、慰謝料請求を受けた側で弁護士をつけられる方もいらっしゃいます。

期限内に検討が間に合わない場合でも、回答期間内に「返答が遅れます」と伝えるべきです。また、本格的な回答はまだでも弁護士が受任通知を送付することで、相手方弁護士が待ってくれるケースもあります。

 

STEP2示談交渉をする

相手に返答した後は通常、慰謝料の金額や支払い方法について交渉を開始します。

相手の請求金額をそのまま払う必要はありません。こちらの言い分を述べて減額してもらいましょう。

合意ができれば示談が成立します。

STEP3示談書を作成する

慰謝料の金額や支払い方法について示談できたら、示談書(

和解書)を作成します。

一般的に、和解書には以下のような内容を定めます。

  • 慰謝料の金額
  • 慰謝料の支払い時期
  • 慰謝料の支払い方法
  • 接触禁止条項(不倫相手と別れて今後一切接触を断つ約束)
  • 秘密保持(お互いに不倫トラブルについて、第三者へ口外しない約束)
  • 清算条項(お互いに慰謝料以外に債権債務がないことを確認する)

 

STEP4慰謝料を払う

和解ができれば、定めたとおりに慰謝料を支払います。

支払いが完了すれば、不倫トラブルは解決です。

ただし接触禁止条項をもうけたのに約束を破って会っていた場合などには再度慰謝料を請求される可能性もあります。

 

示談が成立しない場合には訴訟になる可能性が高い

内容証明郵便を受け取らない場合や受け取っても相手に連絡を入れず放置した場合、また話し合っても合意できず示談が決裂した場合には、相手の配偶者が訴訟を起こす可能性があります。

 

訴訟で相手が不貞関係(不倫における男女の肉体関係)を証明すると、裁判所が慰謝料の支払い命令を下します。

こちらが納得しなくても支払いを命じられ、支払うまでの遅延損害金も付加されます。相手が弁護士をつけた場合には弁護士費用の一部、相手が探偵事務所を使ったら調査費用の一部を請求される可能性もあります。

訴訟になると労力や時間がかかるだけではなく、支払金額が高くなるリスクもあるので、示談を決裂させるかどうか迷ったら慎重に検討しましょう。

 

4.不倫の内容証明郵便で確認すべきポイント

内容証明郵便が届いたら、以下のような点を確認してみてください。

 

4-1.事実関係で間違っているところはないか

まず相手が主張している事実関係で、間違ったところがないか確認しましょう。

不倫が始まった時期、相手と逢った日のことなど、実際と異なる事実が書かれていたら反論すべきです。内容証明郵便は、訴状と異なり、重要な事実関係が間違っている場合もないわけではありません。

 

4-2.請求された慰謝料が過大ではないか

不倫慰謝料の金額には「相場」があります。

相手の請求金額が過大なら減額を要求できるので、内容証明郵便に書かれている金額が適正かチェックしましょう。

 

一般的な不倫慰謝料の相場は以下のとおりです。

 

相手夫婦が離婚しない場合…100万円以下

相手夫婦が離婚する場合

  • 婚姻期間が1~3年…100~150万円程度
  • 婚姻期間が3~10年…150~300万円程度
  • 婚姻期間が10年以上…300万円やそれ以上

 

たとえば内容証明郵便に記載されている慰謝料額が500万円なら過大となる可能性が高いでしょう。相場を外れて高額な慰謝料は支払う必要がありません。

 

4-3.慰謝料が発生しない事情はないか

「慰謝料が発生しない事情」がないかも確認しましょう。

不倫慰謝料の請求書が送られてきたとしても、必ずしも支払い義務があるとは限りません。

以下のような場合、慰謝料の支払いを拒否できます。

 

慰謝料の時効が成立している

慰謝料請求権には時効があり、時効が成立していれば、「援用」によって支払いを拒めます。

不倫の慰謝料請求権は、以下の期間が経過すると時効となります。

 

  • 不倫相手と不倫の事実を知ってから3年間

 

不倫した時期が古い場合には、時効が成立していると主張できる可能性があるでしょう。

 

別居後に不倫が始まった

不倫慰謝料が発生するのは、不倫によって相手の夫婦関係を破綻させたからです。

既に破綻した後の不倫関係であれば、慰謝料は発生しません。

たとえば相手方夫婦の関係が悪化して別居後に不倫関係となった場合、慰謝料を払う必要は基本的にありません。

 

相手からだまされてこちらに過失がなかった

相手が「独身」と偽っており、こちらがだまされて男女関係になった場合、こちらには責任がありません。

ただし相手が独身と思い込んでいても、「過失」があると責任が発生する可能性があります。

相手のだまし方が巧みであり、こちらが年少で人生経験が少ないなどの事情があれば、過失がなかったと認定されやすいでしょう。

 

4-4.減額すべき事情がないか

慰謝料が発生するとしても、減額できるケースが多々あります。

たとえば以下のような場合です。

  • 不倫の期間が短い
  • 不倫した回数が少ない
  • すでに別れて反省している
  • 不倫が始まったとき、夫婦関係が相当悪化していた
  • 相手方夫婦が離婚しない、修復している
  • 相手方夫婦に子どもがいない

減額要因となる事情はしっかり主張して、支払金額を少なくしてもらいましょう。

 

4-5.支払いができない事情

慰謝料を支払う義務があるとしても、どうしても支払えない状況があるものです。

法律上、支払い能力がない人からは取り立てができません。相手が訴訟を起こしても、無駄骨になる可能性があります。

たとえばあなたに収入がない、あるいは低所得で資産もまったくなければ、相手が慰謝料を取り立てるのは相当困難になると予想されます。

 

そういった事情を述べれば、慰謝料額を減額してもらえたり分割払いを認めてもらえたりする可能性が高くなるでしょう。

 

5.内容証明郵便が届いたときの対処方法

内容証明郵便が届いた場合の対処方法をまとめると、以下のとおりです。

  • 受け取って開封する
  • 内容を確かめる
  • 反論を検討する
  • 期間内に相手へ連絡を入れる
  • 示談交渉をして和解する

 

自己判断で対応すると後々に不利な状況が発生する可能性があるので、弁護士へ相談するようおすすめします。名古屋駅ヒラソルでは男女問題に積極的に取り組んでいますので、お困りの際にはお気軽にご相談ください。

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