不貞行為の慰謝料の増額要素として知っておくべき知識パート4

不倫慰謝料の増額事由で少し特殊なものを弁護士が解説~慰謝料請求を受けたら,慰謝料請求をするなら知っておくべき知識

不倫・浮気・不貞慰謝料請求を決意し勇気を出して相手に切り出しても、スムーズに示談が成立するとは限りません。相手が示談に応じない可能性もありますし、金額や接近禁止について合意できないケースも多いのが現実です。

また示談であっても、決めておいた方が良い条件がいくつかあります。有利な条件を設定できれば、離婚後に後悔するリスクも低下するでしょう。

今回は慰謝料請求を決意したときに知っておくべき知識を離婚に専門性のある弁護士が紹介していきます。

離婚協議を進めている方、話し合いが難航している方など、ぜひ参考にしてみてください。

1.不倫相手が夫から経済的利益を受けていたというパターン
この点については、「不法原因給付」(民法708条)の問題が生じる可能性があります。
この点,「本件不貞行為や、恋人のマンションの購入資金を夫が援助したことを知り、大きな衝撃を受けた」とする裁判例があります。(東京地裁平成28年2月26日)
もちろん、マンションなどを提供している例はめずらしいかもしれませんが、私も実務上経験があるところです。このような場合は、「1000万円」の返金を求められてこじれることも考えられますので、弁護士への相談をおすすめいたします。

この裁判例によると、1000万円の送金によって受け取ったことを慰謝料の増額事由としたと評価したもので、「1000万円」それ自体の返還を認めたものではないことには注意が必要だと思います。
2.不貞行為の場所・態様・内容
不貞行為の場所が、「自宅」である場合は、増額の要素になる可能性があります。(東京地裁平成29年8月29日、東京地裁平成29年1月11日)
具体的には、不貞行為の場所が、請求者の自宅であったことを理由として、これを慰謝料増額事由としています。
特に、裁判所としては、1)自宅において、請求者と同居中であること、2)自宅にわたり複数回の性行為であること、3)長女がいたこと―などが挙げられています。
では,「場所的」な要因以外に、どのような不貞行為の態様が、「慰謝料の増額要因」と認められるのでしょうか。

以下で不貞行為の態様、行動の悪質性などについて弁護士が解説します。

1-1.不貞行為の態様
まず、加害者側の「認識」に着目しているものとして、交際関係を開始するときから、夫に配偶者がいるということを知悉していたという事実を慰謝料増額要因としている可能性があることが考えられます。
これは,不法行為について、「過失」ではなく、「確定的故意」が認められるという意味と考えられますが,様々な攻撃防御の中で、「確定的故意の認定」まで至らないことが多いと思います。

1-2.不貞行為の内容
不貞行為の内容に着目している事実認定をしている裁判例は多くないと思いますが,旅行や恋人間の妊娠などの実質的重婚状態のような場合,「不貞行為の内容」に触れていると思われる裁判例があります。(東京地裁平成28年11月10日)
この点、旅行はともかく,1)「恋人の実家を妊娠の報告に訪れたこと」,2)「一時期事実上夫婦と言い得る関係」にあったこと―が認められれば、その精神的苦痛は大きいだろうと考えられます。
同居のまま説得しても相手が離婚に応じない場合には、別居が有効です。別居すると夫婦が顔を合わせる機会が減り、一気に離婚が現実化します。

その他は,「夫との子を宿しても構わない」と恋人が発言したなど、いささか一方的かつ開き直っている言動が慰謝料増額要因になっているものもあるように思われます(東京地裁平成29年10月26日)が,このような場外乱闘を防止するためにも、不倫慰謝料請求をされた側においても、紛争をこじらせないためにも、弁護士を代理人にするメリットがあると考えられます。
このほか、妻が恋人と面識があったということを慰謝料の増額要因としたものもあります。(東京地裁平成30年3月28日)
ただし、顔見知りにならないと恋人関係には陥らないと考えるのが正当ですので、夫の部下であり、妻も面識がある場合においての不貞行為によって、妻が軽視し難い精神的苦痛を被ったといえるとしても、その増額の幅は弁護士経験によれば、それほど大きくないのではないかと考えられます。
1-3.恋人の行動の悪質性
まずは、「請求者の生活圏に侵入するなどのストーカー的な無配慮」が挙げられると思います。
裁判例の事例をみると、離婚を求めたり不貞を継続したりして心情を害したといえるものがあります。
しかし、それよりも、請求者に「無配慮」と言われる可能性があるのが,同一町内に転居し居住していることについて、不倫関係の継続や、自分のこどもに危害を加えられる恐れなど,配慮を欠く言動も慰謝料の増額要因として考慮されている可能性があります。このような点に照らすと,生活圏内に入ったり,結婚できないからといって,恋人の母親と養子縁組をしたりすることが相当ではないといえるでしょう。
このほか、恋人間で、男女間の駆け引きを超える不相当な駆け引きをすることも、慰謝料の増額要因になるといえます。
具体的には、1)夫から、セクハラ、パワハラを受けたとか、2)恋人間で妊娠をしたと告げること、3)連絡を絶ったといいながら実は連絡を絶っていなかった、4)被請求人は、提訴前の請求者訴訟代理人からの自分宛の内容証明郵便につき、宛先間違いであるとしてこれを返送するという不誠実な態度をとったこと、恋人がリストカットのおそれを示唆する、こどもに接近行為に及ぶ可能性を示す、高額な慰謝料を逆に請求するなど、「婚姻生活の継続に不安感を抱かせる」ような行為をして、「警察への相談」を余儀なくされたなど婚姻生活に生じた影響を軽視できないような場合がある。その他、5)恋人による離婚の指示を夫にするなどは、慰謝料の増額要因になり得る。
例えば、恋人が、夫に対して、妻との同居の解消や離婚を繰り返し働きかけ、その一環として、弁護士を紹介して、夫の離婚を支援したこと、夫は、こうした妻の働きかけを受けて離婚意思を固めて,妻との別居をしたということにより婚姻破綻したということが、慰謝料の増額要因になっている。しかし、夫が、弁護士を選任するのは、自発的意思に基づくものとはいえ、依頼をする自由はあるはずであるから、よほど強度の指示でもない限り、慰謝料額の増額要因にするのは不相当のように考えられる。(東京地裁平成29年9月13日)
近時、証明もしやすく、「非常に態様が悪質な部類に入る」とされているものとして、1)夫との離婚を求めたり、2)性交渉を誇示したり、3)妻の悪口をいうような内容のメールの送信が挙げられています。(東京地裁平成29年8月8日)
このほか、4)未練を見せて、告白して離婚を迫るような言動や別居を迫る言動も、同じような評価が加えられる可能性があります。(東京地裁平成28年7月20日、平成29年3月21日)
これらの事実関係は、「不貞事案」の中でも、非常に態様が悪質な部類に入るといわざるを得ない、との評価がなされた裁判例があるようです。
慰謝料増額要因については、裏付けが薄弱な場合には注意が必要です。反対に知人に相談をしても、こちらが「請求を思いとどまってはどうか?」などといわれてしまうケースもあります。

そこで、まずは、弁護士に調停の代理を依頼しましょう。

1-4.恋人からの誘い掛けによる不貞行為の開始
被告の働きかけによって、不貞行為が始まったことは、慰謝料の増額要因になるのでしょうか。この点,不貞した夫の「主導性」を慰謝料減額事由として考慮したものもあります。
この点は、その交際に至る経緯は,増額要素として考慮される可能性はないとはいえないでしょうが,もともと,不貞の不法行為に基づく損害賠償請求債権は、不貞をした夫及び恋人との関係では、不真正連帯債務といって、連帯債務の関係にあります。
したがって、恋人からの誘い掛けの態様が相当悪質といえない限りは増額事由とならない可能性もあります。
なお,不倫交際中の写真をフェイスブックにアップした行為が不法行為となるかが争われた事例がありましたが、結論的には「不法行為」は成立せず、慰謝料の増額要素になる可能性を示したものがあります。(東京地裁平成28年3月22日)
また、恋人が謝罪をしたことは、「慰謝料の減額事由」になるといえますが、謝罪しないことが増額事由になるといえるのでしょうか。
この点は、ケース・バイ・ケースといえますが,請求者の心情を害した程度や別居に至っているなどの事情も総合的にはんだんする一つの要素の中で、「親密な交際を続けており、明確な謝罪をしていない」とする点が、慰謝料の増額要素ととらえられるパターンもありますが、総合的な評価の結果、慰謝料の増額要素と否定されているパターンがあるものと考えられます。
2.示談交渉を有利に進めるために
自分たちで交渉するのが難しいと感じたら、早めに弁護士に相談するようお勧めします。
弁護士は状況に応じた最適なアドバイスができるので、話を聞いておけば不利な条件で合意してしまうことはありません。相手との協議が難しい場合には、弁護士に代理交渉も依頼できます。調停を申し立てるべきケースでは弁護士がスムーズに手続きを進めるので、依頼者に手間は発生しません。

合意をする場合も弁護士を挟んで、合意できたら「公正証書」を作成しておくことも有意義です。
弁護士が対応するときちんとこうした書面も作成するので、後に約束があいまいになって破られるリスクも大きく低下します。

当事務所では不倫・浮気・不貞慰謝料案件を最重点取り扱い分野と定め、これまで多くのケースを解決まで導いて参りました。示談の段階からアドバイスや代理交渉を承っております。
慰謝料請求や弁護士への相談を決意されて今後に関して不安を抱えている方がおられましたら、まずはお気軽にご相談ください。

2021/05/08

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