不貞行為が原因の離婚後の注意点~慰謝料も含めて

不貞行為とは、配偶者以外の異性と性的関係を持つことをいいます。
回数や愛情の有無は関係がなく、一度でも性的行為を持てば、法律上の「不貞行為」とみなされます。
食事のみのデートやキスは不貞行為とはなりませんが、それらの行為が積み重なることで不貞行為が推認されたり、親密交際として少額の損害賠償が認められたりすることもないとまではいえません。
しかし、離婚事由として、デートやキスなどは、「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に該当する可能性があります。

今回は不貞が原因で離婚したり、慰謝料請求をしたりする場合、問題となるのが慰謝料です。
そこで、不貞が原因で発生する慰謝料について弁護士が解説します。

1.不貞慰謝料

不貞が原因で離婚する場合、問題となるのが慰謝料です。
慰謝料には、

  • 離婚原因慰謝料
  • 離婚自体慰謝料

の2つがあります。
とはいうものの、ここでは、大きく区別しないで解説していきたいと思います。

夫や妻、どちらかの不貞行為が証拠によって証明されている場合、それによって精神的な苦痛に対して慰謝料を求めることができます。
慰謝料の金額に上限・下限はありませんが、最近の裁判例から、不貞の慰謝料請求の場合は、100万円~150万円程度が多いように考えています。
高額にこだわると示談がまとまりにくく、調停や裁判まで進むと、それだけコストや時間がかかることになります。弁護士に相談して、裁判例などの相場を見せてもらうと良いと思います。

2.有責配偶者からの離婚請求

有責配偶者からの離婚請求については、例外的に認められることもあります。
このように、不貞行為をした人が離婚を求めて調停を起こすことも可能です。
ただ、相手が応じなければ不成立となり、裁判を起こしても離婚は原則認められません。
例外的に離婚が認められるのは、妻が経済的に過酷にならないこと、別居期間が5年以上、こどもが少なくとも中学は卒業していることといったケースでは、裁判上、離婚が認められるケースもあるのではないかと思います。

3.不貞行為で押さえたい証拠は?

配偶者の不貞行為が原因で慰謝料を請求したい場合、証拠が必要となります。
さて、証拠とはどのようなものをいうのでしょうか。
まずは、裁判に耐えられるパターンの証拠です。

  • 性交渉を連想させるLINEやラブホテルでの待ち合わせをする内容のLINE
  • ホテルの出入りをする探偵写真
  • 一方当事者が、不貞行為を裁判上認めている

といったところと思います。
裁判の場合、あまり、証拠が弱い場合は裁判が維持できない場合もあります。他方、示談交渉段階では、以下のようなものも証拠としているように思います。

  • 日記
  • 音声データ
  • ホテルの領収書
  • GPSの履歴
  • ETC

―こういったものが考えられると思います。

自分で証拠をつかむのが難しいときは、調査会社に依頼せざるを得ないと思いますが、良心的な探偵業者の相場は1日10万円程度で、3日稼働くらいではないかと思います。つまり、30万円以上、探偵資料のために費用を支出することはあまりおすすめできません。特に、200万円などの費用をかけている場合は、ぼられていると考えるのが社会的にみて相当ではないかと思われます。

調査会社についても、1日など、可能性の高い日を狙って依頼するべきであり、探偵業者→弁護士という流れとならない方が良い場合もあります。

4.離婚後の慰謝料請求も可能

もし、「慰謝料はいらないので、今後は主人に接近しないでください」といった旨を文書で残していると、追って請求することが難しくなります。
謝罪、接近禁止、将来の違約罰だけを定めると、慰謝料について免除したと解釈される事実認定をされる場合もあります。
不貞問題では、別居した後では物理的に証拠の入手が難しくなりますので、計画的に証拠を集めておきましょう。

当事務所では不貞の慰謝料請求に力を入れています。
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