親権をとるには

 親権をとるには、子どもと一緒に別居することが一番重要です。このような手法は国際法的には批判されていますが、日本の弁護士としては、子連れ別居をすれば親権争いを優位に進めることができます。

 

 子どもについては年齢によりますが、15歳以上は、事情を説明してどちらが親権者になることを希望するか選ばせる方が良いでしょう。たしかに、親や裁判所に勝手に決められたという方が子どもは被害者でいられるという心理的傾向がありますが、他方の親を失う喪失感や悲しみは面会交流で補うものと考えられます。

 

 親権は、離婚する場合はどちらか一方に決めなければなりません。そして、日本では、書物では率直に書かれていませんが、ウィキペディアに記載があるとおり、先に子どもを連れ去って別居した方に親権が認められる可能性が高いといえます。もっとも男性の場合は、子の監護の見通しをつけておかねれかばなりませんから、両親や兄弟に監護補助をお願いするなどの環境整備をしておく必要があります。

 

 男性が育児に参加することが増えたために、夫婦ともに親権主張をするケースが増えています。もっとも大きい子どもはその意向が重視されますから問題がありませんが、いちばん大変なのは4歳から10歳くらいまでの間です。3歳までは親権は幼児母子優先といわれており母親が親権を取得するケースが多いといえます。他方11歳以降は15歳に近づくことから子どもの意向が重視される傾向にあります。

 しかし、4歳から10歳までの子どもの場合は、子の心情程度が考慮されるにすぎず、明示的な意思表示をしているとしても、子の福祉に反するとして子の意向を認めない裁判所もあります。

 

 何事も一つしかないものを奪い合いことについては深刻です。しかも親権争いがある場合については、離婚調停も成立しません。

 

 裁判官の視点はどちらの親が親権者になれば、子どもが幸せになることができるかという点に尽きるといっていいと思います。

 

 具体的なポイントとしては、別居状態を前提に、現在、誰が子育てをしているのかという点です。現在は主たる監護者基準というものがあり、主に子どもを面倒をみてきた人に引き続き監護をしてもらう方が子の最善の利益に資するという考え方です。

 

 次にポイントなのは子どもの年齢です。先ほどのように、3歳までは母子優先、11歳以上は子の意向重視ですから、4歳から10歳くらいまでの親権争うが最も激しいといえるかもしれません。

 

 従来は、母子優先の原則というものがありました。しかし、現在は、これを継続性の原則、兄弟不分離の原則、主たる監護者基準と性差別にならないようにワーディングだけ変更したものの、判断の実態はそれほど変わらないように思います。

 

 したがって、離婚前に子育てを問題なく行っていた母親であれば、親権を手に入れられる可能性はかなり高いといえます。例えば別居中の父親が問題なく子育てをして、父親のりゅしんのサポートもあるという状況ですら母親に親権が認められた事案もあります。したがって、父親の場合、それまで子育てに積極的に関わっていても、子どもの親権を得るのは相当な困難な問題があります。

 

 そこで、父親としては、母親よりも良好な監護態勢が提供できることを立証し、さらに母親失格という主張をしていく必要があります。この点、不倫を問題視される方もいますが、不倫は一般的には、親権指定の要素となりません。そこで、虐待やネグレクトなどを主張する必要があります。暴力、暴言を繰り返す、食事を与えない、子どもをほったらかしにして毎日朝帰りといったケースです。

 

 子どもが連れ去られたら、というご相談もよく受けます。しかし、結論からいうと、自分が誰にも負けない努力をする必要があります。つまり、親権が欲しければ子連れ別居した方が有利なのです。

 そこで子どもが連れ去られそうになったら実家から出さない等の措置をとるしかありません。この点、子連れ別居は親権者交渉を優位に進めることができますから、離婚を覚悟して別居を決断した際に、片方の親が子どもを連れ去る場合には、これを防止するしか手立てはありません。別居されてしまった場合、子連れ別居を違法とした判例はほとんどないのに対して、自力救済出の子どもの取戻しについては、未成年者略取罪が成立するという極端な保護が与えられています。そこで、法的手卯月としては、審判前の保全処分を申立、子の引渡しを求めることになります。

 

 実際に結論が出るには、半年程度かかります。子の監護者指定・引渡しでの結論は、親権者指定に大きな影響を与えます。

 

 もっとも、子連れ別居した際、審判前の保全処分を求めても、子連れ別居は適法として、認められないケースが多いといえます。

 

 子どもを引き渡すように裁判所が決定をしても、その後の手続は、直接強制が一般的です。

 

 直接強制になるのは、全体の2~3割といわれています。

 

 実際には、裁判所の執行官と一緒に相手方住居にいって、早朝に複数人で家を取り囲み、逃げ道をふさいでから家に乗り込むというような形です。

 

おひとりで悩まず
不倫慰謝料問題の弁護士にご相談ください。

052-756-3955(月曜~土曜9:00~18:00)

60分無料相談申込・お問い合わせ

ページトップへ