不貞行為の慰謝料の増額事由として知っておくべき知識パート3

不貞行為の慰謝料の増額事由として知っておくべき知識パート3

不貞の慰謝料請求をする場合、勇気を出して相手に請求をしても,相手方から慰謝料を値切られてしまうこともあります。このように,不貞の慰謝料請求については、スムーズに進むとは限りません。では,相手が増額に応じない場合,どのような増額事由を主張することがケースとしてあり得るのでしょうか。今回は,弁護士による解説のパート3です。

不貞の示談交渉において,話し合いが難航している方など、ぜひ参考にしてみてください。

1.不貞行為当時の夫婦間の婚姻関係に特に問題がなかったこと
不貞行為当時において,夫婦間の婚姻関係に特に問題がないという事実は,不貞行為によって悪化した婚姻関係と比べると,その毀損の程度があることを意味します。
したがって、その落差に対応する部分については、慰謝料の増額要因として考慮することが妥当と考えられます。
では,一概に「夫婦間の婚姻関係に特に問題があること」というのは、どういうパターンをいうのでしょうか。
例えば、
1)第二子を授かるため、不妊治療をしていた事実
2)温泉に旅行にいっていること
3)一般的な夫婦関係においても間々みられる配偶者に対する不平不満というようなものを超える特段の支障はなかったことが認められること―がメルクマールとなる裁判例もあるようです。(東京地裁平成30年5月11日)
また,別居をしていたとしても、正当な理由がある場合は、「婚姻関係に特に問題がなかったこと」とされるようで,具体的には,アメリカ留学などがあるものといえそうです。(東京地裁平成30年1月31日)
さらに,こどもを出産した直後の場合,不貞行為を知った時期が出産時に近かったことも指摘しています。これも増額要素になる可能性があります。(宮崎地裁平成28年5月18日)
また、病気としては,「硬膜下血種で入院している最中に不貞行為を開始した」というものも挙げている裁判例があります。(東京地裁平成28年3月22日)
このことから,同じ不貞行為によっても,「タイミング」によって,あるいは,いつ知ったかという意味での2つの「タイミング」によって,精神的苦痛の程度が変わってくる可能性があります。
2.不貞行為によって,被害者が受けた被害の重大性
 例えば,不貞行為の結果,こどもを妊娠したり,出産したりすれば,被害者の被る精神的打撃は大きいものになります。このことには,「出産」のみならず「妊娠」も含まれています。
 また,不貞行為の結果,夫婦が別居という事態になれば,その結果は重大なものといえます。別居ということになると、裁判所の基準によれば,実質的に婚姻関係が破綻している可能性があるとの認定に及ぶ可能性があるからと考えられます。

 さらに,主には,女性の不貞行為によって,父親のみならず、それまで保護していたこどもとの生活状況に悪影響を及ぼすような場合には、父親の精神的苦痛はそれだけ大きくなるということに言及している裁判例があることも注目されます。

 具体的には、父親が,妻との離婚により長女と別居して,面会交流をしていかざるを得なくなったことを精神的苦痛として取り上げている例は珍しい裁判例であるといえます。(東京地裁平成29年10月18日)

 さらに,不貞行為である外出・外泊にこどもらを同行する態様であったことを指摘している(東京地裁平成29年3月22日)。

 また,不貞行為の結果、心身に変調をきたし、通院を余儀なくされたという事実もまた重大といえる。具体的には、心療内科への通院を強いられていること、体重の減少、就労できない状況、適応障害、自律神経失調症、医師から抗不安薬の処方を受けていることなどが挙げられると思います。なお,この場合は,診断書がないと,証明には至らない可能性があるようです。(東京地裁平成29年6月30日)

 このように、不貞行為の結果,被害者が通院を余儀なくされたという事情は、慰謝料増額事由として評価されます。しかし、実務上は、交通事故訴訟のように、それを超えて通院費用や入通院慰謝料を損害として請求することは、実務上行われていません。

 その他,婚姻関係の悪化,つまり、離婚に向けられた協議を開始するなどXA間の婚姻関係に深刻な影響を与えるような場合がある。この点は,「婚姻破綻」にまでは至っていないものの、「相当程度悪化」とか、「破綻確実な状況」というように示されることが多いように思います。

3.不貞行為以外には、精神的苦痛の原因がないこと
 不貞行為以外に,精神的苦痛の原因がない場合は増額要因になる一方で,不貞行為以外に、例えば、夫婦間で、「暴言」「暴行」「モラルハラスメント」など他の不法行為がある場合は、不貞行為が婚姻破綻という「結果」に与える原因力(寄与度)が大きいとはいえなくなる可能性があります。
 したがって,夫婦間で,「暴言」「暴行」「モラルハラスメント」などの事情がある場合は、慰謝料の減額要素になる一方で,不貞以外の要素がない場合は,「増額要素」になる可能性がある可能性があります。つまり、不貞行為以外に破綻に影響を与えた事実があり、不貞への影響が間接的にとどまっているような場合は、不貞行為が結果に与える原因力が小さいといえる可能性があるかどうかを考慮する必要があります。
 この点,裁判例でも,「婚姻関係の破綻は、もっぱら、交際関係による不貞行為によるものであることは明らかである」という認定がされる事例があります。(東京地裁平成28年9月7日)
 この他、交際相手が恋人から、「1000万円」を送金によって受け取っていたことを慰謝料の増額事由とした事例があります。
 具体的には、東京地裁平成28年12月22日です。これは、本件不貞行為やマンションの購入資金を援助したことを知り、大きな衝撃を受けたというものです。

3.結語
 名古屋駅ヒラソル法律事務所では,不貞行為,浮気,不倫慰謝料の請求側,請求される側のそれぞれの弁護に専門性をもって取り組むべき努力しております。もし,これら問題でお困りでしたら,名古屋駅ヒラソル法律事務所にお問合せください。

2021/05/05

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