不倫内縁の場合、法的保護はありますか。

不倫関係にある男女の場合、女性の側としては男性側に素早く離婚をして、前婚を清算して欲しいと考える気持ちが多いと思います。

 

原則的には、離婚の際も不倫にはペナルティがあるくらいですから、内縁も原則は法的保護は受けられないと考えておいた方がよさそうです。

 

しかし、法律婚が実態を喪失している場合には、通常の内縁と同じような取扱いとなると考えられます。

 

法律婚が形骸化しているとのポイントは、別居期間、当事者の離婚意思、不倫的内縁関係の継続期間、法律婚当事者での経済的給付や交流の状況などから判断されます。

 

例えば、離婚をしていなくても、婚姻関係が破綻しているということであれば、内縁の妻に内縁解消に伴う財産分与を認めたものもあります。

 

また、法律上の妻とは離婚することになっているとの男性の説明を受けた女性が、不倫関係に入り、3人の子どもをもうけ住居も購入していたという事案では、内縁妻からの夫に対する内縁解消にともなう慰謝料が認められたものもあります。

 

このように民法上のものは良いのですが、内縁のっ妻の遺族年金の受給になるとハードルがかなり高くなるといえます。つまり「配偶者」がいるわけですから、国としても二重に支給するというわけにもいかないため、民法上の婚姻破綻よりも更にハードルを上げて形骸化まで要求しています。国の基準は厳しく、重婚的内縁については届出による法律婚がその実体を全く失っているときに限り事実婚関係にある者として認定されるものと考えられています。これはトレードオフなので、ここまでいうと、「配偶者」も国は形骸化していたのでは、といってきそうな勢いですが、「その実体を全く失っている」というのが、どのような場合をいうかが問題となります。それは、当事者が離婚の合意に基づいて夫婦としての共同生活を廃止していると認められるが、戸籍上の届出を出していないにすぎない場合、一方の悪意の遺棄によって夫婦としての共同生活が行われていない場合であって、その状態がおおむね10年継続し、そのまま状況が固定化している場合などが挙げられます。

 

そして夫婦生活が続いていないことが条件となりますから、法律婚側との間では、・・・

当事者が住居を異にすること

当事者間の継続的な依存関係が存在しないこと

当事者間の意思疎通をあらわず音信又は訪問等の事実が反復して存在しないこと

 

です。これは、現在のねんきん事務所でも広く利用されている基準で、客観的要件を重視していることが分かりますが、面会交流や法律婚妻との交流を安易に行うと、内縁妻が社会的保障(社会保障上の給付)を受けられなくなるおそれがありますので、注意が必要といえます。

 

これは、法律が異なるので仕方がないですが、民法の問題となる関係では比較的容易に法的保護が認められやすいところがありますが、行政法の世界になると、社会保障上の給付(特に遺族年金)は、相当慎重に判断がなされています。

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