最高裁は不倫を違法としているのですか。
最高裁判所は戦前から一貫して不法行為が成立すると判断しています。
裁判所としてはどれだけ仲良くても、法律婚制度がある建前から、不倫について悪い行為ではない、と判断することに躊躇を感じているからです。
つまり、最高裁が配偶者の不倫相手に対する慰謝料請求を否定するとの立場をとると、方が正面から愛人関係や妾関係を認め、乱交を奨励することになりかねないことを危惧しているものとみられています。
フリーセックスの国は以外と少なく法律婚制度を採用している場合は、少なくとも民事上の責任は生じるというのは比較法の見地からも妥当といえるでしょう。この点、不貞の慰謝料否定説は子の福祉の観点から建設的な話し合いを不可能にする、という点に主な論拠がありますが、不貞の慰謝料を否定したところで、近時の仕立て上げDVなどをみていると、別に子の福祉のために建設的な話し合いが進むとも思えず否定説の論拠は薄弱なのでしょう。もっとも、現時点では、最高裁の立場は概ね多くの国民から支持されているといえそうです。ただし、刑事罰ほどではないが民事罰があるという微妙な違法行為であるが故に、また様々な見解が入り乱れている故に、不貞の位置付けをめぐっては、恐喝、強要などの被害が発生しやすいといえます。つまり、比較的、モノガミーに対してポリガミーといって婚姻しても性交渉はしても良いという考え方もある一方で、道徳的な考え方からみると、婚姻の安定のためには不貞相手を婚姻破壊者として法的責任を負わせるべき、というのが支配的モラルと、両極端の考えもあるわけです。しかし、日本では、未だポリガミーが社会通念になり、セックスフレンドを持てるとか、精神的なよりどころとは別に快楽を求めるための性交渉が別人との間で是認されるという考え方はなさそうです。